非現実Blog

自然✖アニメ。子供の頃の感性を大事にしたい。そんなブログになる予定です。

休んじゃいなよ。雨の日はお家でアニメ。『言の葉の庭』【レビュー/感想】

「雨」が主役級

雨が降るシーンは、別れだったり悲しい内容を想像させますよね。

実際、雨が降っていた方が悲壮感も増しますし。

 

登場するキャラクターとストーリーに影響を及ぼすことができる、雨。

そんな雨がほぼすべてのシーンに使われている、ただ悲しいだけではない、心がスッとなる作品です。

 

 

雨は3人目のキャラクター

youtu.be

 

言の葉の庭

公開:2013年5月31日

原作:新海誠

監督:新海誠

主題歌:秦基博

   「Rain」

 

『”愛”よりも昔、”孤悲”のものがたり』

舞台は新宿。

主人公は、靴職人を目指す高校一年生の孝雄。

雨の日は決まって、学校の一限目をサボり、公園で靴のスケッチに勤しんでいた。

いつものように雨が降っている朝に、いつもの公園のベンチに行くと、そこには昼間からビール片手にチョコレートをつまみに飲んでいる女性、雪野に出会う。

孝雄は、その女性をどこかで見たことがあったように感じ、尋ねてみると雪野はそれを否定し、「鳴る神の 少し響きみて さし曇り 雨も降らぬか きみを留めむ」と言い、その場を去ってしまう。

 

そんな二人は、この日から雨の日は決まって同じベンチで会うようになる。

二人は、お互いにお弁当を作って食べたり、孝雄の靴職人の夢について話したり、交流を深めていった。

 

梅雨が明けると、必然的に雨の降る頻度が下がり、それにつれて二人が合う機会も少なくなっていった。

そんなある日、二学期になった学校で、孝雄は雪野と再会する。生徒と先生という立場で。しかし、雪野は生徒による嫌がらせで学校を退職することになっていた。そのことを知った孝雄は、いじめていた上級生のところへ行き、主犯格の女生徒をビンタする。当然のごとく、取り巻きの男子生徒に返り討ちにあってしまう。

 

後日いつもの公園に孝雄が行くと、そこには雪野が。

孝雄は、「鳴る神の 少し響みて 降らずとも 吾は留まらむ 妹し留めば」と、最初に会った時の短歌の返し歌を口にする。

少しの戸惑いの中、突如土砂降りの雨が降る。そのまま二人は雪野のマンションに行く。雪野は濡れた服を乾かし、孝雄はビーカーに卵を割り、オムライスを作って、お互いが一番幸せと感じるひと時を過ごす。

 

そんなまどろみの中、孝雄は雪野が好きだと思いを告げる。

一瞬の間の後に、「雪野さん、じゃなくて、先生でしょ。」 

続いて地元の四国に帰ると告げ、悟った孝雄は雪野のマンションを後にする。

いろんな思いが錯誤し、靴も履かずに裸足のまま走り出して孝雄の後を追い、非常階段でお互いの気持ちをぶつけ合い、美しい雨と虹がかかる中強く抱きしめあいました。

 

季節が流れ、冬になり、雪野は地元で再び教壇に立っていた。

孝雄は、そんな雪野から手紙を受け取り、雪で真っ白になった公園のベンチに、雪野の為に作った靴を置き、雨の日に会っていた日々をお互いに「歩く練習をしていた」と言い、「もっと、もっと遠くまで歩けるようになったら会いに行こう」と誓って、物語は幕を閉じます。

 

新海誠マジック

もともと映像の綺麗さに定評がありましたが、「言の葉の庭」で格段に磨きがかかったような気がします。

 

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(C)Makoto Shinkai / CoMix Wave Films

 

この作品は雨が降るシーンがたくさん出てきますが、雨一粒一粒が違う動きをしているのがより映像美を際立たせるのかと思いました。画面の手前と奥では雨の大きさ、落ちるスピードが異なっていたり、日の光を浴びて色ずく雨を表現したりと情景描写で楽しませてくれる内容になっています。

作中のキャラクターの心情によって色を変える雨の描写は新たな表現方法です。

 

正直最近の新海作品からみ始めた方は、あれ?だいぶ絵が違うなって思われるかもしれません。

君の名は。」や「天気の子」のキャラクターデザインは、「あの花」や「ここさけ」のキャラデザを務めていた、田中将賀さんです。

どっちの絵も好きなので俺得です。

 

余談ですが、「君の名は。」とリンクしていることもファンの中では有名な話ですが、それは観た人が楽しみながら見つけたほうが楽しいので、どっちも見てみてください。

作品に色を付ける音楽

 「言の葉の庭」の主題歌を担当したのは、秦基博さんです。

イメージソングの「言の葉」とエンディングテーマの「Rain」の二曲を歌っています。

「言の葉」は劇中では使用されていませんが、ぜひ聴いてほしい名曲です。

「Rain」は大江千里さんのカバー曲になります。自分が秦基博さんにハマったきっかけの曲です。作品にマッチしているのは当然、秦基博さんの壊れそうな儚くて芯のある歌声が、作中のキャラクターと世界に色を付けてくれます。

新海作品の特徴でもある、映像と音楽の調和はこの作品でもばっちり発揮しています。

 

 

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