突っ走ることの美しさ『天元突破グレンラガン』【レビュー/感想】
暑い日には熱いものを
暑い日には、熱いものが食べたくなりますか?
自分は嫌です(笑)
潔くアイスを食べます。
でも時たまあっついものを欲する時があります。心が熱くなるものを。
汗をかくのは身体だけじゃない。
昔のアニメのような熱さがアップデートされた、漢のアニメ。
古さと新しさの超絶合体!
漢‼
放送:2007年4月~9月
話数:27話
製作:GAINAX
ジャンル:SFファンタジー・ロボット
俺を!俺たちを!誰だと思っていやがる!
遥かな未来。
人々は地中に穴を掘って家を作り家畜を飼い、時折起きる地震と落盤に怯えながら何百年も息を潜めながら暮らしていた。
そんな地中の村、ジーハ村のシモンは、いつものように得意の穴掘りをしていた。
穴掘りをしているシモンは、偶然光る小さなドリルと大きな顔のロボット(以下ガンメン)を見つけた。
兄貴分であるカミナにそれらを見せると、突如天井が崩れて、ガンメンと少女ヨーコが落ちてくる。
3人はシモンのドリルとガンメンで敵を何とか撃破したのだが、今まで地中に隠れて住んできたシモンとカミナは、戦いの最中で地上を見て、地下の暮らしを捨て地上を旅することを決意した。だが、地上は人間と地上を支配する獣人が戦う戦場だった。
獣人と戦い勝利し、ガンメンを奪い取り、カミナは「グレン」とそれを名付け、シモンのガンメン「ラガン」と合体することで「グレンラガン」となり、強敵を撃破していく。
ライバルとなる強敵ヴィラルと幾度となく戦い、その中でカミナの人柄に惹かれ仲間が集まっていく。「大グレン団」の結成である。
一行は獣人の本拠地を攻めるべく、一致団結するのだが、決戦の直前にカミナとヨーコが恋人となるところを目撃したシモンは、戦いに集中することができずに、ラガンをうまくコントロールできない。
戦いも佳境に差し掛かった時、カミナが敵の一撃を受けて重傷を負ってしまう。
だが、持ち前の漢気でシモンを奮起させ、見事敵の艦隊を倒すことができた。
しかし、重傷を負ったカミナは、「あばよ、ダチ公」と言葉を残し死んでしまう。
大グレン団の主柱を失った仲間たち。そんな中自暴自棄になって孤独になっていくシモン。
そんな中、獣人との戦い中に大きな谷へ落下してしまう。無数のコンテナに埋もれた谷底で出会ったのは、一人の少女だった。
少女と共に仲間のもとに帰ったが、少女の正体が敵のボスの娘である、ニアという事が判明する。しかし、彼女もまた獣人たちに命を追われるのである。敵のはずだが、親に見捨てられたニアの決意に大グレン団も受け入れるのであった。
強敵との戦いで、カミナの言葉を思い出し、自分は自分であると決意し立ち直ったシモンと仲間たちは、ついにボス「螺旋王ロージェノム」との戦いのために王都テッペリンに向かう。
ロージェノムにたどり着くまでに、幾度となく強敵と戦い、撃破していく。
ついにロージェノムのもとにたどり着いたシモンとニア。激戦の末、倒すことができたが、「百万匹の猿がこの地に満ちた時、月は地獄の使者となりて、螺旋の星々を滅ぼす」と意味深な言葉を残し倒れた。獣人と人間の戦いは、人間の勝利で幕を閉じた。
ここで一息つきます。キーボードを打つ手も熱くなりますね(笑)
ここから後半戦です。
螺旋王との戦いからから7年後。
地上に人間が溢れ、人口の増加と文化の発展が著しくなっていた。
大グレン団の仲間たちは、新政府を設立し、国の中核をになっていた。シモンは総司令となり、慣れない仕事に苦難し、ニアとの時間を作れずにいた。
だが、意を決してニアにプロポーズをし、ニアもそれを受け入れた。
それもつかの間、人口が100万人に達した瞬間、正体不明の兵器(以下ムガン)が現れ、ニアはメッセンジャーとして人類殲滅を宣言し、シモンの前から姿を消した。ニアは、全宇宙を支配する存在であるアンチ・スパイラルの反螺旋因子が組み込まれた存在だったのだ。
ニアが姿を消したあと、街はムガンとの戦いに怯え暴動が起きていた。
暴動を抑えるために、大グレン団の仲間で総司令官補佐であるロシウは、シモンを拘束し総司令の座から降ろすのであった。だが、これはロシウの人類を守るために苦渋の決断でもあった。
ロシウは巨大戦艦アークグレンに人類を乗せて宇宙に避難するという計画を考えていたが、全人類は救えない。そこで立ちあがったのが、大グレン団の仲間たちだった。
人類すべてを守るため、各々が守るもののためにムガン、アンチ・スパイラルとの戦いに挑む。
アンチ・スパイラルとの戦いに苦戦を強いられるシモンたち。
ギリギリの戦いに、次々と散っていく仲間たち。
散っていった仲間の意思を引き継ぎ戦う大グレン団の前に、ついにアンチ・スパイラルが姿を現す。
敵も銀河サイズのグレンラガンと同様の姿となり、激戦を繰り広げる。
以前の敵でもあったロージェノムの力も借り、人類はアンチ・スパイラルに勝利する。
シモンはニアを取り戻すことができたのであった。
地球に帰還し、仲間たちに見守れながらシモンはニアと結婚式を挙げる。
だが、ニアはアンチ・スパイラルによって作られた仮想生命体であるがゆえに、アンチ・スパイラルが消えたこの世では存在ができない。ニアはシモンに「愛しているわ、シモン」と言い、指輪を残して消滅した。
シモンはこうなることを理解していた。式が終わり、その指輪をヨーコから手渡されたシモンは「あとは頼んだぞ」と言い残して街を去った。
20年後。螺旋族の平和会議が執り行われる地にシモンはいない。
「穴掘りシモン」として世界を放浪し、新たな螺旋の世代を見守っている。
古き良き熱さがアップデートされた
昔のロボットアニメにある、主人公が漢気溢れていて、技名を叫んで敵を倒す。
最近のロボットアニメにはなかなか見られないですよね。
以前かいたエウレカセブンとは一味違う色です。
グレンラガンを楽しむ醍醐味の一つである、合体時などに発する口上がファンを熱くさせますね。
いくつも印象的な口上がありますが、カミナが死んで、自暴自棄になったシモンが立ち直るときに放った口上がグッときます!
兄貴は死んだ!
もういない!
だけど、俺の背中に!この胸に!一つになって生き続ける!
穴を掘るなら天を衝く!墓穴を掘っても掘り抜けて!
突き抜けたらな俺の勝ち!
俺を誰だと思っている!
俺はシモンだ、カミナの兄貴じゃない!
俺は俺だ!
穴掘りシモンだ!!
唸ります。
やられます。
この他にもたくさん口上がありますので、映像と合わせて見てください。
よりやられますよ。
良いアニメの特徴
個人的にいいアニメの内容の一つは、キャラクターが死ぬことだと思います。
みんながハッピーエンドに越したことはないです。思い入れのあるキャラクターが死ぬのは悲しいです。
でもその過程に感情移入し、散りざまに感動することで、物語が深くなっていくのかなって思います。
カミナのような主人公級が死ぬんだ…て初めて見た時に思いました。
8話という序盤で。ですが、これがいい味を出すんです。
代表的なアニメだと、「ガンダム」だと思います。
全部見たわけではないので何とも言えないですが、自分が見てきたガンダムの名シーンはキャラクターが死んでいくことが多かったです。
その分子供向けではなくなっていくこともありますが…
シモンが子供から大人へ、次の世代を見守る立場になるという一人の漢の物語。
グレンラガンは27話という話数ですが、それ以上に長く感じます。
是非その人生を見てください。
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