非現実Blog

自然✖アニメ。子供の頃の感性を大事にしたい。そんなブログになる予定です。

観るアニメ、聴くアニメ『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』【レビュー/感想】

リメイクでも続編でもない、リブート(再起動)

リブート

(意味)過去の作品を新たな解釈で作り直すこと

 

代表的なリブート作品と言えば、「エヴァンゲリオン新劇場版」ですね。

テレビシリーズ終了後に、再編集や続編を交えた旧劇場版を経て、現在も続いている新劇場版になるわけです。旧劇まではリメイクという感じでしたが、新劇場版では過去のストーリーを再構築して描かれています。

 

交響詩篇エウレカセブン」も、テレビシリーズ終了後に、パラレルワールド的な舞台で描かれた「交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい」が公開され、テレビシリーズの続編として「エウレカセブンAO」が放送、そして過去の作品をリブートして新たに3部作の劇場版が公開されています。

 

リブート作品は、ある程度、過去の作品の予備知識がないとついていけない可能性が出てきますので、予習は必須かもしれません。

ですが、上記の二作品の良いところは、一作目がアニメシリーズをベースに作られ、二作目以降から別作品として描かれているところです。

新規の方もとっつきやすいかもしれません。

既存のファンは、懐かしさと新しさの両方を楽しめる構成だと思います。

それゆえにこの二作品は比較され、後続のエウレカセブンエヴァのオマージュだとか言われていたりしますが、そんなものはどの作品も同じことが言えると個人的には思っているので、むしろ引き合いにだしてもらえてありがたいとすら思います。

両作品とも大好きが故の駄文でした。(陳謝)

 

がんばれ、レントン

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交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1

公開:2017年9月16日

原作:BONES

監督:京田知己

主題歌:尾崎裕哉「Glory Days」

 

あの時のこと、あの子のこと…俺が見つけた大切なもの

地球全土を覆う情報生命体スカブコーラルに対し、軍はスカブ中枢部に決戦弾頭シルバーボックスをを撃ち込み、その音響を利用しスカブを殲滅する作戦「ネクロシス作戦」を決行する。

しかし立案者であるアドロック・サーストン大佐は、シルバーボックスの欠陥に自ら気付いてしまう。しかし作戦は刻々と迫っている。

作戦は数多くの犠牲を払いながらも、シルバーボックスをスカブ中枢に撃ち込むことができた。だが、シルバーボックスが制御不能となり、スカブの暴走が始まってしまう。

この事態を終息させるため、アドロック、エウレカホランドたちはシルバーボックスへと向かいますが、アドロックはホランドエウレカを託してその場を離脱させ、自らが犠牲となり、暴走を食い止めた。

後にこの騒動は「サマー・オブ・ラブ」と名付けられ、アドロック・サーストンは世界を救った英雄として讃えられるのであった。

 

そんな英雄の息子、レントン・サーストンは…荒野で野犬に追われていた。

 

PLAY BACK

父アドロックの死後、チャールズとレイに養子として引き取られ、「レントンビームス」として故郷ベルフォレストで生活していた。

父へのコンプレックスと義父母にうまく馴染めないことにストレスを感じていたレントンの前に、ニルヴァーシュと共に落ちてきたエウレカに一目惚れをしてしまう。

チャールズとレイから家出するような形でエウレカがいる月光号へと乗り込む。

そこには憧れのホランドがいたのだが、エウレカを巡り対立、更にエウレカが人でないことを知り、レントンは月光号からも家出してしまうのであった。

その後、ビームス夫妻と再会し、父親と母親の温かみを感じながら過ごすのだが、チャールズとレイに月光号襲撃の命令が下っていることを知る。

レントンはチャールズにこのまま留まること、出ていくことの提案を受け、出ていくことを決断した。

二人に別れを告げ、レントンは…荒野で野犬に追われていた。

PLAY FORWARD

 

夕日に向かって走る、エウレカに会うために。

「始まりはいつも月曜日だ。」

「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん。」

「これから君と俺の新しい月曜が始まる。」

 

エウレカとの再会まで、あと18時間と24分

 

新規カットで盛り上がり、既存カットで懐かしむ

冒頭20分ほどは、テレビシリーズでは言葉でしか出てこなかった「サマー・オブ・ラブ」が詳しく描かれています。

テレビシリーズの時には、やんわりと語り継がれている事故のようでしかなかったので、エウレカセブンの醍醐味でもある迫力のアクションシーンと相まって興奮します。

軍に所属していたホランドやタルホ、チャールズとレイを見るのも新鮮で、既存ファンにはたまらないカットだったのではないでしょうか。

あとは、シルバーボックスってミサイルとかじゃないんだ(笑)という感想。

またシルバーボックス起動後は大きなターンテーブルのようで、エウレカセブンと言えばの「音楽」との調和を見事に表しています。

 

そしてその後のカットは既存カットを使用しつつ新たな要素を取り入れたシーンが続きます。

大きな変更点と言えば、孤児となったレントンをチャールズとレイが引き取って養子にしているところです。テレビシリーズでは敵として登場し、敵と知らずに過ごしていただけでした。ですが、その中でもチャールズとレイは本当の家族として接しているので、そうゆう点では共通しているかもしれません。

テレビシリーズの最後は悲しい結末を迎えてしまいますが、今回のハイエボにはそのシーンはありません。個人的には名シーンですが、鬱シーンでもあるので入れなくてよかったと思いました。

 

既存カットが出てくると、やれ使いまわしだの、手抜きだの言う方もいるかもしれませんが、自分はそう思いません。実際に劇場で観た時のあの懐かしさを呼び覚まされる感覚が好きなんですよね。

この作品の独特なカット割や既存カットの使用により、賛否が分かれるところですが、この作品で完結ではありません。あくまで3部作で完結という点でみれば、最高のスタートダッシュを決める作品だと思います。

 

主題歌が最高。『エウレカ=音楽』

本作の主題歌は、尾崎裕哉さんの「Glory Days」です。

エンドロールで流れてきたときは、鳥肌が立ちました。エウレカセブンの世界観とレントンの心情が組み合わさって、エウレカセブンが好きで良かったと思わせてくれました。実際に、尾崎裕哉さんも偉大な父親を持ち、作中のレントンと同じような境遇があったそうです。歌詞も半分は自分の気持ち、もう半分は作品の世界観に寄せて歌詞を作られたようなので、スッと入ってきたのだと思います。

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テレビシリーズでは、当時まだアニメにテクノミュージックを使うのは新しかったようで、その斬新さとストーリー性で確固たる人気を築きました。

また、各話のタイトルが実際の楽曲をオマージュしている点も音楽好きには高評価なところでしょう。

本作でもそのテクノミュージック要素を多く取り入れ、既存ファンのみならず、音楽的要素を重視する現代アニメファンにも刺さる構成になっています。

 

まとめ

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©2017 BONES/Project EUREKA MOVIE

今なお根強いファンがいる「交響詩篇エウレカセブン」ですが、テレビシリーズ終了から12年経ち、新たな劇場版が作られるというのは本当に人気がある証拠だと思います。

放送が2005年でしたが、今見ても全く古さを感じませんし、今放送しても現代アニメとまったく遜色ない人気が出ると思っています。そのエウレカセブンをさらに昇華させた今回のハイエボリューション3部作。

テレビシリーズとは違った角度から物語を見ることができ、ファンをまったく飽きさせません。

 

正直、テレビシリーズを予習してからご覧になった方がより楽しめることは間違いありません。特に、「ANEMONE 交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」はテレビシリーズの延長ではなく、別ストーリーとなっているので予習は必須かと。

2部作目はまた別の記事でレビューしたいと思います。

 

hoshiani.hatenablog.com

 

 

余談ですが、当時劇場に観に行ったときに、周りの客層が少し年齢層高めだったのがエモかったです。

「あっ、この人達も当時見ていたり、久々のエウレカセブンに興奮しているのかなぁ」と思いながら、一緒に観覧しました。同志よ。

 

 

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