非現実Blog

自然✖アニメ。子供の頃の感性を大事にしたい。そんなブログになる予定です。

何度目の冬ジブリ【レビュー/感想/まとめ】

タツでゆっくりじんわりと

いよいよ年末に差し掛かり、冬将軍が来る季節になりました。

温かい室内で、ゆっくり過ごす時間が最高ですよね。

特に、今年は家で過ごす時間が多くなると思いますので、おうち時間で何をするか悩むところです。

 

最近はサブスクの配信サービスが多くあるので、時間をつぶすこと自体は問題ないかと。ただ、何を見よう、と思われているのでは?

うん、ジブリを見ましょう。そうしましょう。

安心安全、ジブリで冬を過ごしましょう。

 

ただ、ジブリ作品自体で、冬をイメージした作品はほぼないと言えます。

大体が、夏の公開に合わせて製作されていたり、「ジブリ=空」のイメージ通り、夏の青空の印象が先行してしまい、なかなか冬にジブリを見るという習慣はないのかもしれません。

ただ冬という、どこか人恋しくなる、じんわりくる季節にぴったりの作品は数多くあります。家族団らんで見るというより、ひとりで見ることでより世界観に没入できると思います。

 

 冬におすすめのジブリ作品①

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© 1989 角野栄子・Studio Ghibli・N

 ・魔女の宅急便

公開:1989年7月29日

原作:角野栄子魔女の宅急便

監督:宮崎駿

主題歌:荒井由実ルージュの伝言」「やさしさに包まれたなら

おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。

魔女の家系に生まれた13歳の少女キキ

魔女のしきたりに従って、「13歳になったら魔女のいない町に移り住み、魔女としての修行を積む」という旅立ちの日を迎えた。

 

母親から受け取ったほうきと、猫のジジ、父親にもらったラジオをもち、海の見える街を目指して友達に見送られながら旅立った。

のは良かったものの、そこに突然嵐がやってきて、2人は貨物列車に降り立ち雨宿りをすることに。

貨物列車で一夜を明かしたキキとジジは、目を覚ました。キキが目にしたのは初めて見た「海」と、その先にあった海に浮かぶ大都会・コリコだった。

美しい街並みに心躍らせるキキだったが、人々のキキに対する反応が冷たいことに戸惑っていた。終いにはバスにぶつかりそうになったり、警察官に身元確認を取られる始末。

しかし、ほうきで空を飛ぶ魔女に興味津々のトンボという少年に助けられ、事なきを得たと思ったが、その少年のしつこさにその場を去ってしまう。

 

その後、行くあてもなく途方に暮れていたキキだったが、一軒のパン屋の前でおかみさん・おソノに出会う。

パン屋のお客さんの忘れ物をほうきで飛んで届けたことで気に入られ、お店の2階で下宿させてもらえるようになった。

おまけに魔女を活かし、「魔女の宅急便」として仕事を始める。

 

配達の仕事をしていく中で、絵描きのウルスラと出会う。届け物を落としてしまい、そのぬいぐるみを直してくれた女性だ。

少々荒っぽいが、親切にしてくれて、仕事を終えることができた。

そして、孫へのニシンのパイを届けて欲しいと依頼してきた貴婦人。

だが、自宅のオーブンの調子が悪く上手く焼けない。キキは手慣れた手つきで薪のオーブンを用意し、雨が降るなか孫がいるパーティー会場へと届けたのだが、トンボから誘われていた自身が行く予定だったパーティーには間に合わなかった。

 

体調が戻ったある日、キキはジジとの食事中、ジジと会話を交わすことができなくなってしまったことに気づく。

キキは突然のことに驚くが、キキは「魔法の力」が弱まっていたのだ。

ホウキで飛ぶことも出来なくなってしまい、仕方なく宅急便の仕事は休業せざるを得なかった。

すると、落ち込むキキのもとをウルスラが訪れ、キキはウルスラの小屋に泊まりに行くことに。そこでキキはウルスラの描いた絵に感動し、自信を失っていたキキは『ジタバタするしかない』とアドバイスを受けた。

 

翌朝、ウルスラを見送ったキキに依頼が入る。

あの貴婦人から、「キキという人に届けて欲しいの、この前とってもお世話になったから、そのお礼なのよ。」と言われ涙を流すキキ。

するとその直後、テレビから飛行船が強風に煽られて飛ばされているニュースが飛び込んでくる。

やがて飛行船を支えていたロープが次々と切り離される中、先端から垂れ下がったロープにトンボが必死でつかまっていた。

その様子を見たキキは家を飛び出し、ホウキではなくデッキブラシを使って飛ぼうと試みた。浮くことに集中し、フラフラと安定しないながらも飛び立つことに成功し、トンボのいる所は向かう。

 

やがて飛行船は風に流されて時計台にぶつかり、トンボは今にも飛行船から落ちそうだった。キキは必死になってトンボに近づくがなかなか手をつかめず、力を失ったトンボは飛行船から落ちてしまう。

しかし、キキは地面ギリギリのところでトンボの手をつかみ、トンボは無事に救出されて、その様子はテレビで流された。

 

キキは両親に手紙を書いた。

お父さん、お母さん、お元気ですか。私もジジもとても元気です。仕事の方もなんとか軌道に乗って、少し自信がついたみたい。落ち込むこともあるけれど、私、この町が好きです

大人になって見るとまた違う良さがある

どうしてもアニメーションは子供向けであるという印象を持たれる方もいると思います。

最近では大人向けに作られたアニメーションもありますが、あくまでもジブリは子供向けであると思います。宮崎駿監督も子供たちに、「面白いものは、この世界にいっぱいある」と伝えたいと言っています。

ドキドキとワクワクを届けられた子供たちが大人になり、あの頃を思い出として記憶している。そして、改めて見ると違った見方になるのがジブリ作品だと思います。

 

魔女の宅急便は、魔女のキキの奮闘に沿って、自分を照らし合わせると、上京して社会人として頑張る人たちが、新しい環境や土地で、挫折したりしながらも前を向こうとする様とみる事もできるのではないでしょうか。

作品のキャッチコピーでもある、「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」は沁みる言葉だと思います。

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感想(26件)

冬におすすめのジブリ作品②

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© 1984 Studio Ghibli・H

風の谷のナウシカ

公開:1984年3月11日

原作:宮崎駿風の谷のナウシカ

監督:宮崎駿

主題歌:安田成美「風の谷のナウシカ

少女の愛が奇跡を呼んだ

「火の7日間」と呼ばれる戦争によって巨大産業文明が崩壊してから1000年。錆とセラミック片に覆われた大地に、有毒の瘴気を撒き散らし巨大な蟲達が棲む”腐海”という菌類の森が広がり、衰退した人間の生存を脅かしていた。

 

防毒マスクをしなければ5分で肺が腐ってしまう死の森を散策している風の谷のナウシカは、物思いにふけっていると虫封じの銃声を聞く。巨大な王蟲に追われていたのはユパだった。ナウシカは閃光で王蟲の怒りを鎮め、虫笛を使って森へ誘導する。

父の親友であるユパのことはナウシカも幼い頃から知っていた。ナウシカはユパとの再会を喜び、ユパはナウシカの成長ぶりに感心する。ナウシカはユパが助けたキツネリスの子供を譲ってもらいテトと名付ける。

 

腐海のほとりに、海から吹く風によって腐海の瘴気から守られている人口500人程の辺境の小国・風の谷に戻った二人は、村の人から歓迎され、ナウシカが持ち帰った王蟲の殻に大いに喜んだ。

夜明け近く、村人やナウシカが風の異変に気付いた。すると、谷の上空にトルメキアの大型船が現れ、崖に激突して墜落する。船には大量の蟲たちが群がっていた。ナウシカは炎の中からペジテ市の姫ラステルを救出する。しかしラステルは「積み荷を燃やして」と言い残して息絶えてしまう。

谷の人々は船に付着していた腐海の胞子を焼く作業に追われる。ひとつでも残せば、腐海に飲まれて村に住めなくなってしまう。

そしてラステルが燃やせと言った積荷を発見した。巨大な肉塊、巨神兵の胚のことだった。

 

事情を察知したトルメキア軍が風の谷へと艦隊を引き連れてやってきた。

村人は抵抗したが、トルメキア兵によってジルを殺され、圧倒的な軍事力の前に屈した。指揮官のクシャナは、ガンシップと食糧を徴収し、人質5人をペジテ市に連れて行くよう命令する。ナウシカは人質として、5人の村人とともにクシャナの軍に加わることになる。

 

翌朝。ナウシカは谷の子供たちに必ず帰ると約束して船に乗る。しかしトルメキアの艦隊はペジテ市の王子アスベルガンシップに襲撃され墜落していく。

ナウシカガンシップで船から脱出し、長老たちの乗った船の救出に向かう。諦めかけていた長老たちは、腐海の瘴気の中でマスクをはずしたナウシカの捨て身の説得で気力を取り戻し、ガンシップと船は腐海に不時着する。

しかし、不時着した場所は王蟲の群れの中。絶体絶命のなか、ナウシカ王蟲に敵意ない事を伝える。その思いが伝わったのかその場を切り抜けたのだが、王蟲や蟲達は赤い目の警戒色を発してどこかへと去ってしまった。

異変を察知したナウシカは、長老たちに1時間自分が戻らなければ谷に帰るように指示し、メーヴェで飛び立つ。

 

同じく腐海に不時着したアスベルは、銃を使って自らに襲いかかる蟲を殺していた。

間一髪のところをナウシカに救ってもらったが、蟲の尻尾にメーヴェが当たり、そのまま腐海の底へと落ちていった。

そこの空気は澄んでおり、水も土もきれいだった。腐海の木々は人間が汚した大地の毒を体に取り込み、きれいな結晶にしてくれていたのだ。そして蟲たちはその森を守っているとナウシカは確信した。

メーヴェでペジテ市に向かったナウシカとアスベルは、そこに大量の蟲の死骸が転がっていることに驚く。ペジテ市は壊滅状態で、呆然とする2人の前に、生き残ったペジテの人達が現れる。彼らがペジテ市を占領していたトルメキア軍を蟲に襲わせていたのだった。

さらに、風の谷のトルメキア軍を標的とした作戦も発動されたという。事実を知ったナウシカは、谷に知らせるためにメーヴェで飛び立とうとするが、市長らに取り押さえられ、アスベルとともにペジテのブリッグに収容されてしまう。

 

何としても谷へと向かいたいナウシカは、アスベルの協力の元、ペジテの娘と入れ替わり脱出を試みる。そこにやってきたのはトルメキアの船だった。

船を奪われまいと必死に抵抗するペジテの人達、アスベルを気にしてなかなか飛び立てないナウシカをアスベルが強引に離陸させる。

トルメキア兵と戦うアスベルを背中に、ナウシカは谷へと向かった。

トルメキアの船に見つかったが、そこへミトの操縦するガンシップが駆け付け、コルベットを粉砕。ガンシップから飛び移ったユパがブリッグ内のトルメキア兵を制し、ペジテの人々を救った。

ミトとナウシカガンシップで谷へと全速力で向かう。

 

一方その頃、風の谷では腐海の胞子が森の木々へと入り込み、手がつけられない状態だった。やむを得ず森を焼かなくてはいけなくなった村人の怒りはトルメキア軍へと向かい、反乱が起こった。村人達は砂漠に逃れて宇宙船の残骸に立てこもった。

 

谷へと向かうナウシカとテトは、眼下に広がる真っ赤な大群を目にする。それは怒りに染まった王蟲だった。

その大群を率いていたのは、ペジテの飛行船。しかも、王蟲の子供に杭を打ちつけ飛行船に吊るしていた。王蟲の子供と谷を守るため、ナウシカはペジテの飛行船へと飛び乗り、何とか飛行船を不時着させることができた。

そして、自分と王蟲の子供を群れの目の前に降ろすように説得。

 

ナウシカと離れたテトは、谷の人たちが立てこもる砂漠へと着陸。ここに王蟲の大群が来る事を知らせた。谷の人間は宇宙船の屋上へと避難したが、トルメキア兵達はその場を逃げ出した。そこにクシャナと現れたのは、未完成の巨神兵クシャナの命令に従い、口から発せられた光線は、凄まじい破壊力で王蟲の大群を攻撃した。だが、未完成だったため、体の半分が溶け出し、2回光線を放ったところで崩壊してしまった。

 

もう成す術もない。

すると上空から王蟲の子供と共にナウシカが、王蟲の大群の目の前に降りた。しかしすぐに巨大な王蟲に跳ね飛ばされ、ナウシカは大群の中に消えていく。

すると、突然王蟲の攻撃色が消えていき、突進も止まる。谷の人々はナウシカが自らの命を犠牲にして谷を守ったのだと涙を流すが、王蟲の触毛で持ち上げられたナウシカは、その不思議な能力によって蘇る。

そして、金色の触毛の上を歩くナウシカの姿は、「その者、青き衣をまといて金色の野に降り立つべし」という古い言い伝えの通りであった。

 

谷へ到着していたアスベルやユパたちとともにナウシカを取り囲み、みな歓喜した。王蟲の群れは静かに森へ帰っていく。

その後トルメキア軍も谷から撤退し、アスベルはユパとともに旅に出ていく。浄化された腐海の最深部では、ナウシカのヘルメットの横でチコの実が芽を出していた。

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原点にして頂点

実は厳密に言うとジブリではない、のですがそこは割愛します。(トップクラフトという制作会社で制作、その後トップクラフトが改組し、スタジオジブリになる→結果オーライ)

 

作品の始まりが高度な文明が滅びてから1000年後、という設定は現代では一般的な世界観なのかもしれませんが、他の作品と一線を画すのは、宮崎作品を多くみられる、自然と科学文明の対立、文明の破壊と再生、公害や自然破壊などの環境問題や族内紛争、戦争への批判という側面を持ったテーマだと思います。

ただ、暗い側面だけを出すのではなく、あくまで子供向けとしてのアニメーションを出すために、王蟲メーヴェといった特徴的なアイデアを盛り込んでいます。さらに、ヒロインであるナウシカの人柄は、まさしく聖母。

故に、いつの時代、年代にもフィットし、今なお人気作品として愛されています。

 

おまけで言うと、原作の漫画単行本は映画版とは異なる結末を迎えます。

「土鬼」や「墓所」といった設定が追加され、人類補完計画のような企みまであります。

全く飽きさせませんね!

まとめ 

冬のジブリに馴染のない方もいらっしゃるかもしれません。

正直ジブリの中で冬の季節感を出している作品は少ないです。しかし、ジブリに出てくるキャラクターの温かさに触れることで、心がじんわりと温まること間違いなしです。

なかでも、「魔女の宅急便」と「風の谷のナウシカ」に出てくるキャラクター達の生き方は、現代にも通じるところもあり、自分の今の生活に照らし合わせることもできると思います。

今年の冬もジブリと過ごしましょう。